2016.01.12 Tuesday
「わが闘争」カール・オーヴェ・クナウスゴール
久しぶりに長編小説を読んだ。日経の書評で紹介されていた、同い年のノルウェーの作家の自伝的作品。
決して流暢ではない文体(は翻訳のせい?)は、脈略なくランダムにスライド映像がながれているようで、丁寧に、注意深く読まないといけないので
逆に心に引っかかり、最後のページの素晴らしさが、何倍にも増幅されました。
自分と似たような音楽を聴いて、同じようにバンドをやっていた筆者が描写するノルウェーの風景や日常は、自分が育った環境のそれとはぜんぜん
違うけど、それでも、根底に通じるものがある「不思議」に触れた。
「フィクションでしか表現できない現実がある」みたいなことをカズオ・イシグロがテレビでいってたけど、ホント、そうだな、って思う。
最近読む本といえば、エッセイや思想書、建築や音楽関係ばっかりだったたけど、やっぱり小説も読まない、とね。